かやぶき民家(旧小阪家住宅)
18世紀後期に建てられたと推定される芦屋市三条町の旧小阪家住宅です。
阪神淡路大震災で全壊し解体を余儀なくされ、芦屋市に寄贈され保管されていました。
2016年に兵庫県が譲り受けこの尼崎の森中央緑地に里山の暮らし体験ができる施設として移築復元されました。
かまどや五右衛門風呂などが設置され、かまどには尼崎の森中央緑地の森づくりで出る間伐材で火入れをしています。
建物概要
- 建築年代
- 18世紀後期と推定
- 構造様式
- 入母屋造 茅葺き木造平屋建て
- 延べ床面積
- 153u
- 指定
- 兵庫県指定重要文化財
(2018年3月20日)
民家の前の畑では、昔からこの地域で作られていた当地の伝統作物やゆかりのある作物が栽培されています。
「尼イモ」「武庫一寸豆」「綿」「鳴尾イチゴ」「藍」「大麦」など
活動は、市民ボランティアの手によって行われ、小学生などの環境学習の場として活用されています。
かやぶき民家のくらし
かやぶき屋根(かやぶきやね)
かまどを使用する時に出る煙で屋根がいぶされることで、防虫効果や「かや」を結ぶわらの結び目を固める効果が得られ耐久性が高まりました。また、屋根は雨漏りを防止するために急勾配になっています。屋根裏には、補修用の「かや」をおいて、修理に使いました。通気性、断熱性に優れていますが、寿命が短い欠点があり、20年前後で葺き替えが必要になります。
土間台所(どまだいどころ)
当時は土間にかまどがあり、木切れをくべて火をおこし、ごはんを炊くなど食事を作っていました。
大戸(おおど)
大きな引き戸のなかに小さな引き戸(くぐり戸)がある扉のことです。
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)
鉄の釜の下から直接薪などをくべて湯を沸かし、底板をふみ沈めて入ります。五右衛門風呂は薪の残り火や風呂自体の余熱で、湯が冷めにくいという特徴があります。
長い時間大切に住まわれてきたこのかやぶき民家は、時代とともに、住みやすいように改築が重ねられてきました。
建築当初 18世紀 後期ごろ
20世紀 前期ごろ(昭和初期ごろ?)